はじまりのはじまり

昨日のブログで描いた夢の話、これは神からのお告げと思って、想像をふくらませ、これをもとにストーリーを考えてみることとした。バックナンバーは男湯に置いておきます、そのうち。気が向いた土曜日に書きます。
ファンフラのエロ小説のノリで展開していきます。首都圏のラジオ愛好者以外の人にはわからないネタ、ゴメンね

この作品はフィクションです。実際の人物・団体・地名などとは関係ありません。

The Donkey Saturday The Rough Time Story「その1」

俺は田所郷太。東京のとなりにある千葉県のある町の川の西側、夢の王国とは陸続きの場所に住んでおり、市内各地で葉物野菜を作っているしがない農家。毎日軽トラに乗りながら市内に点々とある借地の畑を廻って野菜の面倒を見ている。今日は3月9日。今日も昨日と同じ朝が来ると思っていた……

The Rough Time Story「その2」
起きたら俺の体が小さくなっているではないか。着ていた甚兵衛もそのまま体と同じく小さくなっている。今の俺の気持ち場ガリバー旅行記の小人のようだ。そして、いつものように新聞を取ろうと郵便ポストをのぞくと……

「新1年生身体測定のお知らせ」と書かれたハガキを見つけた。どうせ隣の家に入れ間違えたのか、と思い、宛名を見ると……
「田所 郷太君の保護者様」
見ると俺の名前が記されている。なぜか敬称が「君」となっている。このたぐいの通知の場合、敬称は「様」となるのだが……ちなみに俺は今年で24歳になる。当然、保護者はもういない。成人すれば両親は保護者ではなくなる。

身体測定を行う場所はかつて俺が12年前に卒業したはずの小学校。
もちろん、保護者を探すことから始めた方がいいので、探すことにしたが、さすがに両親にはもう1回保護者になってくれとはいえない。たくさんのお金をかけて育ててくれたのだから、もうそんな思いをさせるのも申し訳ない。

ということで、その小学校の近くに住む友人であり、一緒に畑を管理している「糸井 三郎」の元に行くこととなった。遊びに行くわけではなく、保護者になってくれとの交渉だ。

The Rough Time Story「その3」
糸井は俺の保護者になることとなった。
最初は「はるか昔、どっかで見たことがある子供」と言われた。免許証と愛車を見せて事情を説明し、俺であることを証明させた。
しかし、この体でマニュアル車を運転するのは拷問だ。立ちこぎ状態であり、かなり危ない。素直にオートマ買っておけば良かった……

糸井が言うには、俺の見た目は6歳の姿となっている。6歳の頃はまだやせていたので、23歳では小太りだった俺は年齢にあわせているのでやせていた。

そして身体測定の日。変わらぬ校舎に懐かしみを感じながら身体測定を行う。

116cm、24.1kg

80kgちょいあった体重が3分の1以下の24kgに、もう少しで170cmに……という身長はぐっと縮んで116cm。
ただ、握力やスタミナなどの身体能力は23歳のままであり、また不可思議な現象である。

体力はそのままなので、下校後に糸井と仕事をしようと思う。

そして、入学式の日……

The Rough Time Story「その4」
俺は1年3組に所属することとなった。俺が糸井といたときは4組だったが、1994年とは事情が違い、少子化の波に逆らえず、3組となっていた。

教師の顔を見ても、もう知っている教師はいない。いても教育委員会に入ったり他の学校で教頭とか校長になったりして偉くなっているのであろう。

周りを見ると、ピカピカの上履きに小洒落たスーツもどきを着たガキどもがいるが、俺はその中でもねずみ色がかかったいつもの「薄緑の作業服」と素足スリッパ。異彩を放っていた。ランドセルも周りはつやつやした物、そして俺の時代とは異なり、黒と赤の2色で統一されておらず、PSPのカラーバリエーションにようにカラフルだ。俺は押し入れの中からペシャンコになった真っ黒のものを引きずり出した。

自己紹介の時が来た。

「田所 郷太だ。出身幼稚園だが、もう何年も前に……いや、何でもない。趣味はアウトドア。2年間、よろしく頼む。」

すでに俺が通っていた幼稚園はすでになく、通じぬ話となっているに違いない。
ちなみに、俺は子供が嫌いだ。見ているだけで虫酸が走る。だが、そんなガキどもとこれから接していかねばならないとなると、恐ろしい。

ちなみに担任の名は「清野 聡」。大学を卒業したばかりの新任教師。22歳、本来なら俺よりひとつ年下だ。もちろん、昭和63年生まれの彼に見た目がガキの俺が昭和62年生まれと言っても通用するはずがなく、平成16年生まれとして扱われている。

これが、俺にとって、二度目の小学生ライフが始まった瞬間であった。

つづく……