ウォーミングアップハイパーファンファン

我が国を代表する放送局であるNHK
新設された宇都宮・前橋両放送局を加え、全国に51の放送局を構え、僻地でもラジオ第一もしくは総合テレビが受信できるという完璧なまでの電波網。
民放がふがいない今、一番見やすい放送局であることは間違いないでしょう。

だけど、気になる点もあります。

NHKには放送局のない県が存在する。
51も放送局があれば、47都道府県全てに放送局があると思いますが、意外とそうではありません。
北海道は7ブロックに分け、それぞれに放送局を設置、福岡県は関門問題の名残で福岡局と北九州局でダブっています。
ということは、3県に放送局がないということになる。
それはどこか……!?
灯台元暗し。首都圏センターがある東京都に隣接する、山梨県(甲府局)以外の3県である。
そう、その中にわが千葉県も含まれています。
実は関東地方、今でこそ放送センターのエリアが4都県になったものの、アナログ時代は7都県だったのだ(水戸局はデジタル放送開始時点で新設したため、3番目に新しい放送局となる)。
つまり、水戸局・宇都宮局・前橋局は元々あった支局を格上げする形で放送局となった。
1973年、津局が開局後、水戸局が開局する2004年までは48放送局・23支局、2011年までは49放送局・22支局、そして現在、51放送局・20支局である。
これ以上放送局格上げとなる支局が登場するかというと、その可能性はほとんどない。
現在、NHKは放送合理化を進めており、経費削減を行っている。
放送局化することで経費が発生し、放送設備を持つことになる。
放送設備を持たない支局は場所によっては廃局になる可能性もある。
浜松支局(PK)や千葉支局(AK)など、ラジオで親局の放送を差し替えて支局発の放送を実施している場所もあるが、経費面からは合理的ではない。いわば、この差し替え放送はいつ廃止されてもおかしくないのである。

・首都圏だけの異常現象
4都県(特に国道16号の内側)に住んでいる方でラジオを聴く方はご存じだろうが、FMラジオをスキャニングするとNHK-FMが大量に引っかかる。地方では絶対にあり得ないことだ。
実は、親局(東京スカイツリー)のエリア内に3つ中継局が設置されている。三山タワー、浦和タワー、横浜タワーの3箇所である。そのうち、三山タワーと浦和タワーは県域TV放送と併設され、横浜タワーは県域FM局と併設されている。CTC・TVS・TUFMが中継局の肩代わりをしているかは不明だが、何かしらの経費は発生している。
なぜ、そんな無駄な中継局があるのか。しかも、スカイツリー発信という超好条件にあるにもかかわらず。

それは、前述の支局ごとの差し替え放送が影響している。
時間帯によっては親局と3中継局全て別の放送をしている時間帯もある。これは、放送センターがある東京都以外の3県に放送局が設置されていないことに対する考慮でもある。
しかし、放送法上は4局ともJOAK-FM(4都県広域免許)であり、たとえばNHK東京FM放送の千葉県内にある中継局限定で送信されている「ひるどき情報千葉」を埼玉県や東京都、神奈川県で視聴してもスピルオーバー扱いにはならず(北関東3局が支局時代は北関東で聴いてもスピルオーバーではなかった!)、正規受信となる(埼玉県域であるNACK5を千葉県で聴くのはスピルオーバーとなり、正規受信ではない。なお、県域FM局のない千葉県内で正規受信となるFM親局周波数はAM局同様、いずれも広域局であるTOKYO FMの80.0MHzとNHK東京FMの82.5MHzのみとなる。逆にNACK5(埼玉)やJ-WAVE(東京)、TOKYO-BAY(東京)、FM横浜(神奈川)、FM-FUJI(山梨)、InterFM(成田空港敷地除く)の受信はIBSラジオ(茨城)やRFラジオ日本(神奈川)、東京MXテレビ(東京)などを受信するのと同じで全てスピルオーバーとなる)。
おそらく、各支局から送られた素材を放送センター内で複雑な分岐作業がなされてエリア限定信号を送っているのだろう。現在も複雑だが、水戸局や宇都宮局、前橋局が支局時代はさらに複雑な分岐回路が組まれていたと想像できる。

流す信号によってはエリアを変更するという恐ろしいことも理論上できそうなため、「ひるどき情報千葉」を埼玉・神奈川県内の中継局やスカイツリー親局82.5MHz、さらにはIPラジオ「らじる・らじる」(AK82.5MHzの放送をそのまま送信)を使って全国に送信することもできるかもしれない。

NHKの中野人がスイッチ操作間違えて「ひるどき情報千葉」が「らじる・らじる」経由で全国送出されたら面白いんだけどな……北海道や沖縄で聴いたら拍子抜けるだろう。
一番面白そうなのは埼玉県の中継局に「ひるどき情報千葉」を送出。前橋局をスピルオーバーしていない秩父とか、親局が受信困難な埼玉県民や児玉中継局をスピルオーバーして聴いている群馬県民的にはたまったものではないだろう。

話が脱線したところで今日はお開き。