サイレント・イヴ
The Rough Time Story「その7」<アンドーナッツ>
週末の夜、俺はTVを見ながら横になっていた。やっているのはあの人気の時代劇だ。
ふと、目をやると、脚気を治すためにアンドーナッツを作って患者に食べさせるという内容。俺の頭の中にはこう頭によぎった。
「ほほう……現代のものを過去に持ち込むのか……」
明日は月曜、また、学校に行くことになる。そこで、おもしろいことを思いついた。
「過去のものを現代に持ち込むのはおもしろいかもしれない……」
俺はおもしろいものをランドセルに詰めた。
そして、休み時間……
「おい、おもしろいものを持ってきた。さあ、楽しめ。」
俺が持ってきたのはビンテージもののバトル鉛筆、俗に「バトエン」と呼ばれるものだ。
ところが、当然、ヤツらは遊びを知らない。俺が丁寧にレクチャーすることとした。
案の定、彼らははまっていった。
こういったことを少しずつしていくのも一つの道楽だと思った。
つづく……